11月1日廃止されるのは大阪市ではなく民主主義ではないか
11月1日、大阪市民は大きな選択を迫られる。住民投票だ。一般に「都構想をめぐる」とされるが、正確には、「大阪市を廃止して特別区を設置すること」を問うものだ。具体的には、中核市規模の4つの特別区に分割する。
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賛成派は、これによって大阪市が持つ広域行政の機能が大阪府に一元化され、互いが張り合うように政策を実行した二重行政の無駄がなくなる上、大阪市の持つ基礎自治体としての機能は、より住民に身近になると主張する。反対派は、そもそも二重行政の弊害が明確ではない上に、政令指定都市として大阪市が得ていた財源を失うことで特別行政区は財政的に行き詰まり、市民サービスの低下を招くという主張。
大阪市民の私は既に投票しているが、投票の結果より気になるのは、この間の議論だ。正直に言おう、賛成派、反対派のどちらも冷静に議論しているとは思えない。誤解を恐れずに言うなら、11月1日に廃止されるのは大阪市ではなく民主主義ではないかと感じる。