孫崎享
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孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

「学問の自由」の侵害は社会全体の発展を阻害すること

公開日: 更新日:

 今年のノーベル賞の受賞者が次々と発表された。ノーベル賞がなぜ、世界で尊敬を集めているのか。それは知性によって新しい事実を発見、確認し、これらが人類の環境改善に役立っているという確信である。

 過去の受賞者を振り返れば、特定の国家が研究の方向を決め、それが成果をもたらし、偉業を得た例はほとんどない。何を研究するか。どのような手順を踏むか。それは研究者に委ねられている。

 こうした経験を踏まえ、少なくとも西側諸国は①学術研究は社会の発展に資する、②そのために社会(国家)が研究の支援をする、③研究対象、研究自体は当事者に委ねる――という原則に基づき、「学問の自由」を保障する体制をつくってきた。

 ただ、こうした「学問の自由」の下に発せられる見解と、時の政府や政府に大きい影響力を行使する経済界の利益が相反する事例が出る。例えば新型コロナウイルス対応がある。

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