踏んだり蹴ったりになりそうな「首相最長不倒達成記念日」
周知のように、安倍晋三首相の連続在任日数が来週月曜日(24日)に2799日に達し、大叔父の佐藤栄作を超えて明治以来歴代トップとなる。が、それを祝おうという声は自民党内からも取り巻き、側近たちからも上がってこない。
もちろん、コロナ禍がますます深刻化するさなかに、そんなことをやるわけにはいかないという事情はあるけれども、それにしても、国会も会見も番組も避けて逃げ回っているような体たらくで、この記念すべき日を迎えて一体どういう心境なのか、ぜひ聞いてみたい気がする。
とはいえ、ご本人はたぶん、「長けりゃいいってもんじゃないよ」と言われてしまうのが分かっているので何も語りたがらないだろうから、成り代わって約2800日間、第1次政権の分まで合算すれば3000日間を大きく超えるこの政権の業績を改めて振り返ると、あまりにも中身が乏しいことに愕然とする。
安倍といえば看板は「改憲」だが、96条先行改憲、閣議決定による解釈改憲、9条第3項追加など、あれこれメニューを持ち出した揚げ句、今はもう可能性ゼロに落ち着いてしまった。最大の売り物のはずだった「アベノミクス」も、膝元の内閣府が「18年10月で終わって、以後は景気下降局面に突入した」と認めてしまったので、安倍自身がその言葉を封印せざるを得なくなった。