れいわ新選組・山本太郎代表の本音に迫る<1>

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災害便乗の詐欺的手法を良い目的に使って消費税をゼロに

「総理を目指す男」が国会を去ってから早や9カ月余り。れいわ新選組山本太郎代表を追い続けるフリーランスライター・畠山理仁氏が本音を引き出す。1回目は、グズグズ政権のコロナ対策への苦言と、緊急事態を乗り切る大胆な救国プランを激白する。

 ◇ ◇ ◇

 ――まず、現政権の新型コロナウイルス対策はどう思いますか。

「後手後手」という言葉ではカバーし切れないほどの後手後手ぶりですね。当初は感染拡大を甘く見ていたのでしょう。「インフルエンザと変わらない程度の感染力」とかね。大した問題ではない、日本は大丈夫という空気作りに力を注いだ。理由は東京オリンピックの開催。五輪開催と人々の命や生活を取り引きしてしまった災厄が今、押し寄せていると思います。

 ――五輪に重きを置き過ぎて人命を軽く見ていた、と。

 何としても今年の開催を念頭に置いていたと思うんですね。結局、オリンピックの延期が決まってからの対応が変わってきていますもの。

 ――所得制限なし、全ての国民1人一律10万円の現金給付への方針転換もありました。以前よりはマシになった印象ですか?

 そうですね。住民税の非課税などの困窮世帯に30万円と、限られた人たちしか受け取れない状態でしたから。コロナに関係なく、消費増税の影響などを考えても、もともと手当てが必要だった方々への給付でしかなかった。その後のコロナの影響も考えれば、住民税非課税世帯のみならず、多くの人たちの生活が厳しい状況、先行き不安な状態に陥っています。限定給付自体があり得ません。大勢の人が不満の声を上げた結果、一律10万円に落ち着いたのは大きな前進です。確実に国民の怒りが政治を動かしています。政権側もネットをちょこちょこのぞいて世間の反応を見ているんだなって分かりましたよね。夜のお仕事をされている方は一斉休校に伴う休業補償の対象外だった話も、「ひどい」との声が上がると取り下げました。ネットの中に住んでいるのが、最近の政府の傾向なのかな。

 ――確かに。安倍総理も先月17日の会見で朝日新聞の記者に布マスク2枚配布の認識を問われると、「御社も2枚3300円で販売していた」と、ネットの不正確な情報をもとに皮肉っていました。

 安倍総理も最近は早くおうちに帰り、ゆっくり過ごされている日も多いので、ネットサーフィンを楽しまれているのかなとは思いますね。政府が批判を気にして、これだけ短い間に軌道修正するのですから。「頑張っているんだから、文句を言うな」といった風潮は、やはりお門違いです。

 ――れいわ新選組は先月6日の緊急提言で、GDP押し上げ効果のある「真水」100兆円で徹底的にやるとして、1人20万円の現金給付を打ち出しています。政府の1回こっきりの10万円とは違うのですか。

 私たちは別にワンショットとは決めていません。まず「お見舞金」として20万円は必要だろうと。足りなければ、また給付すればいいって話で、財源は日銀にカネを刷らせればいい。既に家賃や水道・光熱費を滞納するなど、苦境に立たされている方々は山ほどいます。10万円給付を半年続けるぐらいの勢いでないと、その人たちの最低限の暮らしは救えません。セーフティネットから漏れ落ちている人だって、かなりの数に上るはず。例えば学生で仕送りも薄く、バイトしながら生活していた人たちやフリーランスなどです。何かしらの申請には確定申告の控えが必要と言われても、申告をやったこともない人々は諦めてしまう。このような厳しい状況に置かれている人々を、国はテレビCMを打ってそんな方でも受けられると、までは補足しようとしない。1回こっきりの10万円では生活は難しいと思います。

 ――国もさまざまなセーフティーネットを講じてはいます。

 ただ、電話がつながらず、かなり待たされたり、予約制で面談の形による状況説明が必要だったりで、一刻の猶予もない絶望的な状態に置かれている人は多いと思います。最大80万円の融資を受けられ、一年後の返済時に住民税非課税世帯のままならチャラにしてもらえる緊急小口融資策などもあるにはある。でも、学生で実家を離れてほぼバイトで生活をしていても、少し仕送りしてもらっていると、1つの世帯とみなされて、実家と学生、個別にはお金が下りないケースがあると聞いています。役所のサービスになかなかリーチできない、使えない人を救うには全体に10万円を1発、2発とコンスタントに出している間に時間を稼げば、真に給付金を必要とする人たちを絞り込めると思うんですよ。

■減税議論を前進させるのが最も重要

 ――緊急提言では消費税を1年間ゼロ%にする消費税法の特例法制定も打ち出しています。「1年間」とは、ご自身がコロナ危機が長く続くとの認識に基づいた期間なのですか。

 別に1年間じゃなくてもいいんですよ。人々の生活が好転するまで、経済状況の回復が確認される時点までゼロ%でいいじゃないか、と。僕は消費税廃止の考えですけど、この永田町の石頭の人たちを廃止では説得できる状況じゃないだろうなと思っていて。ところが、コロナ危機で自民党の若手からもゼロ%を求める意見も出てきたし、野党にも消費税減税に非常に前向きな若手がいます。だったら、すぐにでもゼロ%にしちまって、皆に消費税ゼロの味を思い出してもらう。その勢いで消費税法も廃止にできるのではないか、と(笑い)。

 ――消費税率を再び戻そうとの声は上がらない、と見越しているわけですね。

 無理ですね。一度ゼロにしちゃうと。

 ――そこまで手の内を明かすと、乗れない人も多くなりませんか。

 ゼロ%への思惑はそれぞれの自由ですから(笑い)。結果、人々の生活が改善され、経済も立て直せる。災害便乗型、いつも彼ら多数派がやっている詐欺的手法をいい方向で使うって、どうですかね。

 ――そこまで言っちゃいますか。

 結局は多数派がハンドリングするとはいえ、この非常時なら消費税ゼロ%は必要です。その合意形成は前に進められるのではないか。少なくとも消費税は減税する。現場の混乱を考えればシンプルにゼロにすべきですけど、何にしても減税議論を前進させるのが最も重要かな。消費税を払わなくて済めば、事実上、全ての人々への給付と同じ意味を持ちます。

お金を払う行為を極端まで無くせ

 ――全ての教育の授業料免除や、家賃滞納者への立ち退き禁止も提言しています。

 先ほどのバイト生活者には学生も含まれています。今は実家の援助を受けている学生でも、親がお金を出せない状況になるかもしれません。授業料の支払いで苦しむ前に、まず国が肩代わりしてあげるべき。とにかく、お金を払う行為を極端まで無くして行くのが大事です。社会保険料も免除。健康保険、年金、介護、雇用、労災などの保険料収入は1カ月あたり大体5兆円余り。水道・光熱費も月1兆円くらい。この程度ならもう1年間、払わなくて済むことにすれば皆、安心しますよね。いつ感染が終息するのか分からない。1年どころか、2年はかかるというスパンの中で、向こう1年はとりあえず、あらゆる支払いを止める。国が補償して苦しい人々に安心を与えるってことです。

 ――ただ、あらゆる支払いを免除したら、経済が回らなくなるとの懸念はありませんか。

 免除する代わりに国が金を出す。例えば水道・光熱費は、事業者が国に請求する形にして補填を受けられる形にすればいい。世の中の一番の懸念は、政府の借金が増えてしまうことでしょう。政府の借金は、インフレが悪化しなければ何の問題もない。誰かの赤字は、誰かの黒字です。日銀の資金循環統計をみても、これまで政府の赤字が増えれば民間の黒字が増えることはハッキリしています。政府の借金が拡大しても財政出動が伴えば、民間の資産は拡大していく。誰かの借金は誰かの資産という関係性なのです。今の日本だと、政府の借金は国民全員の借金みたいな考え方に洗脳されています。だから、ご理解いただくのに時間はかかるかもしれませんけど、どんどん金を刷って、皆に配っても問題はありません。

 ――各国の対策と比較しても、日本の財政支出は少ない。

 実際にもう米国では、220兆円の財政支出が決まり、トランプ大統領はさらに200兆円規模の追加出動に意欲を示しています。ドルの供給量が増えていく一方で、円が少なくなればどうなるか。超円高ってことですよね。だから、もっと金を刷り、円の供給量もバランス良く増やさなければいけません。

 ――やはり、年単位でコロナの闘いは続くという認識ですか。

 残念ながら、そうですね。来週にも終わってくれた方がいいんですけど。私も全国各地を回りたいので。

※次回は、野党統一候補として擁立が取りざたされる来月告示の東京都知事選について、ズバリ切り込んでいく。

*インタビューは【動画】でもご覧いただけます。

(聞き手=畠山理仁 構成=今泉恵孝/日刊ゲンダイ)

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