小池知事はコロナでも効率優先? 都立病院“独法化”の弊害
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各都道府県が急いでいるのが患者を受け入れるための病床の確保だ。米ニューヨーク市の病院では、集中治療室(ICU)が満床になり、廊下には次々と運び込まれてくる患者のベッドの列ができた。
患者数が急増している東京都でも、対応できる病床数を現在の500床から、4000床を目標に確保する方針を示しているが、対応の遅れは否めない。「医療崩壊」が現実とならないよう一刻も早い体制の構築が不可欠だが、そんな中、都議会2月定例会では都立病院の在り方をめぐって激しい議論が起きた。小池知事が昨年12月の定例会で示した「都立病院の独立行政法人化」に対してだ。
「都立病院及び東京都保健医療公社の病院合わせまして14病院を、一体的に地方独立行政法人へ移行すべく、準備を開始をいたします」
小池知事は昨年12月都議会の所信表明でこう演説。同月25日には「新たな病院運営改革ビジョン(素案)」が公表された。内容は、東京都病院機構(仮称)を設立し、都立病院、公社病院、がん検診センターの病院運営を一体化する――というのだが、ビジョン(素案)にはこうある。