一橋大准教授権容奭氏 韓国で流行「サンキュー安倍」の意
戦後最悪といわれる日韓関係は泥沼化の様相だ。韓国の元徴用工判決を引き金に安倍政権は対韓輸出規制を発動し、反発する文在寅政権はGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄に踏み込んだ。日米韓の安全保障連携を重視するはずの米国は仲裁に乗り出そうとしない。日韓関係はなぜここまでこじれたのか。ヒートアップする報復合戦に出口はあるのか。東アジア国際関係史の専門家に聞いた。
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――まさかと思われていた韓国側のGSOMIA破棄通告に波紋が広がっています。
文大統領にとっても、重い決断だったと思います。GSOMIA破棄に至るまで日韓関係を悪化させたのは、一連の輸出規制です。日本側は安全保障上の措置だと説明していますが、問題の発端が2018年10月末の元徴用工判決であることは疑いようがないでしょう。その直前までの日韓関係に大きな波風はなかった。小渕元首相と金大中元大統領による「日韓パートナーシップ宣言」の20周年を記念するシンポジウムが10月初旬に開かれたのですが、安倍首相は出席して祝辞を贈っている。年内に文大統領が訪日し、首脳会談を開催するプランも練られていました。