桜田辞任が新たな火種 二階幹事長vs麻生財務相で対立激化
これまで何度も失言を繰り返してきた桜田前五輪相。「復興より議員が大事」という信じられない発言は、さすがに傲慢政権もかばいきれなかった。選挙への影響を最小限にするため、早期の更迭で事態の収拾を急いだが、「桜田切り」は政権内の亀裂を深める結果になりそうだ。
10日夜、自民党の高橋比奈子議員のパーティーで挨拶に立った桜田氏は、「復興以上に大事なのは高橋さんでございます」とかました。高橋が被災地の岩手出身だと触れた上での発言だから、無神経にも程があるというものだ。
発言の直後から、官邸は対応を協議。同日午後9時前に桜田氏は安倍首相に辞表を提出した。辞任は当然だが、問題の発言から、わずか2時間ほどで事実上の更迭という素早さだった。桜田氏が所属する自民党二階派の関係者が言う。
「たしかに不適切な発言ですが、すぐさま官邸に『桜田氏を切るべきだ』と“ご注進”した人物がいる。二階派としては、後任者も二階派から出せるのか官邸に“お伺い”を立てたのですが、一蹴されたそうです。二階派の入閣候補は平沢勝栄衆院議員でした。平沢さんは安倍首相が小学生の頃に家庭教師をしていた縁があるのに、当選8回を重ねても入閣させてもらえない待機組。安倍政権の間は入閣は難しいという声がありますが、内閣改造ではなくピンチヒッターならば可能性があった。念願の入閣チャンスは、またしても露と消えてしまいました」