今さら聞けないUSスチール買収計画の「なぜ」…バイデン大統領の阻止に同社CEO激オコ、日本製鉄は猛反発

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 しかしタイミングが米大統領選と重なり、政争の渦に巻き込まれていく。USSは120年以上の歴史を誇る名門企業だ。米国以外の手に落ちることへの抵抗感から、組合員数約85万人の全米鉄鋼労働組合(USW)が反対を表明。この組織票欲しさが②政治問題化した理由である。

 USWは民主党の支持基盤だが、まずトランプが「私なら瞬時に(買収を)阻止する」と口火を切ると、負けじとバイデンも追認。USSとUSWが共に激戦州ペンシルベニアに本社・本部を構えることも政争に拍車をかけた。敗北後も民主党とバイデン政権は将来の選挙に備え、労組の意向を重視。③中止命令の背景には20日に就任する政敵・トランプに「手柄」を与えまいとする意識も働いたのだろう。

「経済合理性よりもセンチメンタリズムを優先させた結果で『安保上のリスク』はこじつけの理由に過ぎません。同盟国・日本まで安保上の脅威とみなすなら『在日米軍は出ていけ』と言わざるを得なくなる。感情論に勝る判断こそ④USSのCEOが『恥ずべきもの』と痛烈に批判した根拠です」(斎藤満氏)

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