アベノミクスを礼賛…榊原経団連が献金呼びかけを再開
「二等国、三等国になりそうだった日本がようやく、立ち直りつつある」
この言葉を発したのは、復古主義の政治家ではない。経団連会長の榊原定征(東レ会長)である。
榊原は2014年9月8日、民主党政権下では打ち切っていた会員企業への献金呼びかけを、5年ぶりに復活させると表明した。翌日の朝日新聞によると、榊原は記者会見で「政策をカネで買うわけではない」と躍起になって否定。冒頭の発言と共に「経済再生を果たすため、政治と経済が徹底的に手をつなぐことが必要だ」と語った。「手をつなぐ」相手は、安倍晋三だ。12年12月に野田佳彦が代表の民主党から政権を奪取し、経済政策で「アベノミクス」を掲げた。
アベノミクスを、榊原経団連は絶賛した。13年10月、献金呼びかけ復活に先立って実施した自民党の政策評価では、次のように述べている。
「昨年の総選挙において、政権交代が再び実現した。第2次安倍政権は、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を促進する日本再興戦略の3本の矢からなるアベノミクスを推進するなど、日本再生に向けた政策を強力に実行している」