著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

北越&大王の業務提携は“圧力”かわす狙いか…6月株主総会控えアクティビストとの熱い戦い

公開日: 更新日:

■いわくつき因縁が…

 実は、北越と大王の資本関係には、過去からのいわくつき因縁がある。北越が大王株を保有することになったのは、王子製紙、日本製紙が大王買収へ動いたことが契機。これを回避するため、北越は大王株買いで支援したのが始まりだ。「北越の岸本社長と大王創業家の井川高雄氏(当時)とは盟友関係にあった。岸本氏には、2006年に王子製紙が北越買収(TOB)に動いた時に、井川高雄氏が北越株の防戦買いで助けた恩義がある」(同)とされる。井川高雄氏は、カジノで106億円をつぎ込み、会社に損失を負わせたとして特別背任で有罪判決を受けた井川意高氏の父親である。余談になるが、このカジノ事件の背景には、大王グループの経営権を巡る確執があったとされる。

 昨年の北越の株主総会では、オアシスの株主提案は過半数に達せず否決されたが、岸本晢夫社長の再任の賛成票の比率は前年から約15ポイント低い65.13%にとどまった。6月の株主総会を控え、北越・大王とアクティビストの熱い戦いから目が離せない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?