小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

愛と情熱で買うクルマ「マツダMX-30ロータリーEV」ついに公道で初試乗した!

公開日: 更新日:

マツダMX-30ロータリーEV(車両価格:¥4,235,000/税込み~)

 先日もお伝えした、約11年ぶり復活のマツダ新作ロータリーエンジン=8C。その新ユニットを搭載したMX-30ロータリーEVに公道で初試乗してきた。

 なにが面白いって、まずはエンジン音。8Cの特長は今までの13Bに比べ、排気量が830ccと大きくなり、構成が2ローターから1ローターに減っていること。なによりも発電専用として使うことだ。

 よってエンジン音はかつての2ローター13Bのような♪シュワーンという伸びやかな音ではない。車内でアイドリング状態で聞くと♪ブーンという一定音で全然快楽的ではない。走ってる最中に聞いても音はほとんど聞こえない。そもそも高回転&高出力の時だけ回る設定になっているし、遮音も効いているからだ。

 しかし無理やりエンジンを回し、ボンネットを開けると結構大きく♪ブーンと響く。正直、電動ノコギリみたいな作動音だ。開発者に聞くと「1ローターになって、レシプロエンジンでいうと3気筒や2気筒ぐらいの感覚なので、音は低いです」とのこと。

 このクルマはロータリー“EV”と名付けられている通り、基本バッテリーEVとして使われることを前提としている。

 リチウムイオン電池を今までのEV版のきっちり半分の17.8kWh搭載。駆動は100%電気モーターで行う。エンジンはあくまでも充電が切れた時の発電用。黒子なので音はなるべく小さく静かに。そこに快楽性は求められてないのだ。好事家は求めてしまいがちだけど。

 気になるEV航続距離はWLTCモードで107km。ここが最も重要で、日常的には毎日バッテリーEVとして確かに使える。たまの遠出のみ、ロータリーエンジンをかけてくださいという性格だ。

走りは実に滑らかで静かで上質

 いよいよ乗ってみる。モータースペックはフルEV版と微妙に異なり、170ps&260Nmとパワーは上がっている。車重にはエンジンだけでなく発電用ジェネレーターも加わってるため、EV版より約130kg重い。その対策かもしれない。

 走りは実に滑らかで静かで上質。そもそもMX-30は珍しい両側観音開きドアで、ドアに支柱が組み込まれており、ボディ剛性は非常に高い。その特性が良く出ている。

 というか簡単な話、フルバッテリーEV版のMX-30EVと走り味はほぼ変わらない。ただし、3つの走行モードで性格が結構変わってくる。最も加速的に余裕ある「ノーマルモード」、バッテリーに溜まった電気を使い切るまでEVとして走る「EVモード」、乗る人が設定したバッテリー残量状態を変えずに走る「チャージモード」。

 一般的オススメはノーマルモード。基本バッテリーが45%になるまでEVとして静かに走り、ただし大パワーが必要な時、つまりアクセル全開にするとエンジンとバッテリーがフルに作動して速い。ロータリーEVの特性を最も生かした走りだ。

EVとして走るべきだが、エンジンでもガンガン走れる

 とにかく電気で走りたい人にはEVモード。ただし、筆者が高速走りで気に入ったのはチャージモードだった。残量設定にもよるが、ぶっちゃけエンジンがガンガンかかるし介入する。そのエンジン音はさきほど言ったように、さほど快楽主義的でない。が、思ってた以上に楽しいのだ。

 一定音色で屋台の発電機のように回すと冴えない8Cユニットだが、走行中はスピードやアクセル開度に応じてエンジン回転が上下。これがことのほかスポーティなのだ。走りそのものも床下バッテリーのため重心が低く、SUVとは思えないキレ味。

 そしてそのハイブリッド状態での燃費は言うほど良くないが、実際には時折バッテリーEVとして走るのでメーター計測燃費はリッター20kmを超える。思ったより悪くないのである。

 もちろんこのクルマはEVとして走るべきであり、毎日通勤で使う時は自分もそうするだろう。 

 だが、いざとなればエンジンも無理やり起こしてガンガン走れる。その魅力は決して侮れない部分があると思ったのだ。

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