米「ウクライナ支援予算」ゼロの衝撃…支援疲れ蔓延で遠のく停戦、プーチンは高笑い
もはや、ウクライナの敗北は決定的なのか──。
9月30日、アメリカの「つなぎ予算」がようやく成立した。しかし、共和党の反対によって「ウクライナ支援予算」は盛り込まれなかった。今回成立したのは、あくまで11月半ばまでの「つなぎ予算」だが、2024会計年度の本予算でもウクライナへの支援予算は、大幅に縮小される可能性が高い。
「さすがに本予算からウクライナ支援が消えることはないでしょうが、これまでのような大盤振る舞いは難しいと思う。アメリカでは『ウクライナより、国内だ』という世論が強まっているからです。インフレによって生活が苦しくなっているのが大きな理由です。7月のCNNの調査でも、ウクライナ支援の追加予算を『承認すべきでない』が55%と過半数に達しています。1年後に大統領選が控えているバイデン大統領も、世論に抗してまでウクライナ支援に巨費を投じるのは困難でしょう」(元外務省国際情報局長・孫崎享氏)
ロシアのウクライナ侵攻から、すでに1年8カ月。「支援疲れ」は国際社会に広がっている。
30日に行われたウクライナの隣国スロバキアの議会選挙では、ウクライナへの軍事支援の停止を訴えた野党が第1党になった。