三菱地所が参入するテーマパークはきれい事では成り立たない…“お公家集団”にできるのか
「『武士の商法』ならぬ『公家の商法』といった結末に終わるのでは」──不動産業界筋からはこんな揶揄も漏れてくる。
三菱地所が大型テーマパーク事業に参入する。2015年に米軍から返還された横浜市の上瀬谷通信施設の跡地に数千億円を投じて東京ディズニーランド(TDL)並みの施設を整備。31年ごろの開業を目指すという。
■TDL事業は「暴力団対策とアルコール対策」に四苦八苦
ただ、テーマパーク開発はきれい事では成り立たない。京成電鉄と共同でTDL事業を手掛けた三井不動産OBによれば苦労したのは「暴力団対策とアルコール対策」だったとか。当たり前だろう。「夢の国」の中を地回りのヤクザや酔っぱらいが闊歩していたのでは客足は遠のく。「千葉県警などにも協力を要請し、今ではご法度だが組関係者などに仁義を切って回った」らしい。都心の超一等地・丸の内や大手町にオフィスビルをはじめとした多くの優良物件を所有。「半ば働かなくても賃料が転がり込んでくる」(中堅ディベロッパー幹部)ことから“お公家集団”とも呼ばれている三菱地所にこうした汚れ仕事ができるのか。