旧三井銀行出身者が37年ぶり全銀協会長に トヨタ転出後に出戻る“異例キャリア”の背景
全国銀行協会は14日の理事会で、来年4月からの次期会長に福留朗裕氏(60、三井住友銀行頭取)を充てる人事を決定した。全銀協会長は三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクが輪番で務めることになっているが、みずほ銀行で起きたシステム障害の影響で、2021年にみずほが辞退。輪番制は崩れたが、現協会長である加藤勝彦氏(みずほ銀行頭取)の就任で正常化している。
この福留氏の全銀協会長内定に、三井住友銀行の有力OBは、「21年に急逝した宮田孝一さん(三井住友銀行会長=当時)も草葉の陰でさぞ喜んでいるでしょう」と感慨深げに語る。宮田氏も福留氏もともに旧三井銀行出身で、旧三井銀行出身者が全銀協会長に就くのは1987年4月の神谷健一氏以来、37年ぶりとなるためだ。
福留氏は1963年1月岐阜県生まれ。85年一橋大学経済学部卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)入行。大学ではアイスホッケーに4年間打ち込んだ。みずほフィナンシャルグループ社長の木原正裕氏は後輩で、1年間共にプレーをした間柄だ。
入行後は、市場部門で為替ディーラーとしてキャリアをスタートし、国際畑を中心に歩んだ。1997年から始まった「アジア通貨危機」、08年からの「リーマン・ショック」には最前線で対応した。