日本風力開発(下)「クリーンエネルギーの旗手」から転落で身売りしかないのか
洋上風力発電は再生可能エネルギーの主力電源のエースとして期待されていた。その主役の1社が日本風力開発だった。
社長だった塚脇正幸は1959年7月、京都府生まれ。京都大学を卒業し、三井物産に入社。物産で風力発電と出合った。脱サラして99年7月、日本風力開発を創業した。
■国内の風力発電量第3位に
風力発電所の建設を請け負う建設会社に風力発電機を販売する代理店業務と、グループの発電所の電力を電力会社に販売する売電事業の2つの営業の柱を持つ会社に急成長。独立系ながら国内の風力発電量第3位の会社として認知された。2003年、東証マザーズに上場した。
塚脇はクリーンエネルギーの旗手と評され注目を浴びた。08年3月期の売上高は105億円、営業利益16億円をあげた。株価は一時、1株50万円に届く勢いを見せた。ところが、10年6月14日に暗転する。
会計監査人の新日本有限責任監査法人を解任した。日本風力開発の従業員が取引先と交わした覚書がトラブルの原因となった。新日本監査法人は覚書が09年3月期決算の収益に影響を与えるとして決算の修正を求めたが、塚脇はこれを拒否し、監査法人を辞めさせた。