日本風力開発(上)受託収賄容疑で逮捕された秋本真利議員との蜜月関係
政府が進める洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、東京地検特捜部は9月7日、元外務政務官の秋本真利衆院議員(48、自民党を離党)を受託収賄容疑で逮捕した。事業への参入を目指す風力発電会社の日本風力開発(東京・千代田区)の塚脇正幸前社長(64)から、会社が有利になるような国会質問をするよう依頼を受け、その見返りとして、あわせて6146万円の借り入れや資金提供を受けた容疑である。
特捜部は国会での質問を、秋本議員の職務権限の行使と捉え、捜査を進めてきた。
塚脇氏は特捜部の任意の聴取に対して、当初は賄賂性を否定していたが、一転して「国会質問への謝礼」と賄賂だと認めた。同氏は9月1日に引責辞任し、後任社長(社長代行)には松島聡・常務執行役員(60)が就いた。塚脇氏については身柄を拘束せず在宅で捜査を進める。
これまでの経緯を簡潔にまとめてみた。
塚脇氏は2021年秋、秋本議員らと「パープルパッチレーシング」という馬主組合を設立し、同年10月から今年6月までに、組合に計3000万円を支出。このうち1000万円は22年10月、秋本議員が衆院議員会館の事務所で受け取った、とされる。同議員が19年に日本中央競馬会の個人馬主に登録する際にも、塚脇氏は3000万円を一時的に提供した。