マンション価格下落が需給のミスマッチエリアから始まった…“こっそり値下げ”水面下で横行
先日、ある一般消費者から次のような相談をいただいた。
「我が家から2駅ほど離れた場所の新築マンションのモデルルームを見に行ったのですが、私たちが買いたい3LDKは1億円でした。ここで1億かと思ってしまいまして…」
そのエリア、10年前なら5000万円で3LDKが買えていた。この10年で約2倍に値上がりしたことになる。
この10年、東京都心とその周辺のマンション価格は値上がりを続けている。「なぜ?」と聞かれて、「その原因は……です」と明解にお答えするべきなのが、筆者のような職業の人間だ。ただ、実際には多くの方にご納得いただける答えをスパッとは提示できない。ここでは、あえていくつか挙げてみたい。
・2013年に始まった異次元金融緩和による低金利→住宅ローンは今や0.2%台でも借りられる
・この10年、日本は不景気ではなかった→2013年から一貫して失業率は下がり続けた
・この10年、日本は次第に人手不足になった→建築コストは上昇を続けた