十倉経団連会長の揺らぐ足元…大幅減益の住友化学には「2つの疫病神」も
三菱UFJフィナンシャル・グループの亀澤宏規社長やヴェオリア・ジャパンの野田由美子会長ら新たに6人の企業トップを副会長として迎え入れ、発足3年目に突入した「十倉(雅和氏)経団連」。今年の春季労使交渉では岸田文雄政権の要請にも応える形で3.91%(1次集計)という30年ぶりの高水準となる賃上げを実現。「来年以降も継続し成長と分配の好循環につなげたい」として構造的な賃上げに意欲を示す。
だが実はその足元は大きく揺らいでいる。出身母体で、自身会長を務める住友化学の収益構造が「ガタついている」(化学業界関係者)ためだ。5月中旬に開示した2023年3月期の最終利益はわずか69億円(国際会計基準)。前期比96%も落ち込み、大幅減益に沈んだ。510億円の最終赤字(日本基準)に転落した13年3月期以来の低水準だ。
それだけではない。24年3月期の最終利益も100億円にとどまり、底這い状態が続く見通し。このため今期の年間配当は、6円減配する23年3月期からさらに6円減配。24円配を実施した22年3月期から半減する。