「ニッポン美食立国論」の著者が明かす「庶民でも楽しめる隠れた名店が地方にあります」
外国人観光客が続々と押し寄せ、インバウンド消費が力強く復活した日本。これに追い風となっているのが、ガストロノミーツーリズムという新たな流れだ。日本は世界に冠たる美食の国。日本のシェフや料理人は今や、アーティスト扱いだ。そして、世界中の食いしん坊たちが、日本の食を求めて来日している。とくにフーディーと呼ばれる人々は独自のコミュニティー、情報網を持っていて、日本人が知らない地方の名店を訪れている。こうした動きが地方経済を活性化させる起爆剤となるのではないか。
元文藝春秋の編集者で現在、日本ガストロノミー協会会長の柏原光太郎氏が書いた「『フーディー』が日本を再生する! ニッポン美食立国論 ──時代はガストロノミーツーリズム」(発行:日刊現代/発売:講談社)には、注目の店リストも含め、日本中にビジネスチャンスが広がっていることが具体的に、詳細に書かれている。夏休みを前に日本人も参考にしたいところだが、フーディーたちは富裕層だ。庶民でも楽しめる“隠れた名店”はないものか。柏原氏に聞いてみた。
「たとえば伊勢神宮に訪れたなら、松阪で牛肉料理。ここまでは誰も考えますよね。でもここは敢えて、その隣町の多気町にある食リゾートVISON(VISON Beautiful Village in TAKIVISON Beautiful Village in TAKI)を訪れたらどうでしょう。多気町は世界一の美食都市といわれるスペイン・サンセバスティアンの友好都市で、VISONはサンセバスティアンの雰囲気を日本でも一番感じるリゾートです」
サンセバスティアンといえば、町中に小さなバルがあふれているが、どこもおいしくてリーズナブル。その雰囲気がここでも味わえるという。
「軽井沢にもさまざまなレストランがありますが、お金をかけなければ楽しめないわけではありません。私が好きなのはイタリアンななくさ食堂《ななくさ食堂 - 中軽井沢/イタリアン | 食べログ (tabelog.com)》です。カジュアルなイタリアンで家族で訪れるのが一番です。翌日は軽井沢の隣にある佐久市のそば職人館《職人館 (しょくにんかん) - 佐久市その他/そば | 食べログ (tabelog.com)》に訪れるのもおすすめです。畑の真ん中にある老舗の蕎麦屋で、ドライブにちょうどいいところです」