バブルの象徴だったNTT株が1万円台で買える驚き…若年層の投資が増えそうだ
かつて当欄で、「人気の米アップル株は2万円台から買えるのに、日本株はなぜ高額なのか」について書いたが、NTT株がなんと1万円台で買えるようになる。
NTTは5月12日、基準日6月30日で1株を25分割することを発表した。たとえば、その5月12日の終値(4108円)を前提とすると、25分割で株価は164.3円になる計算。NTT株の売買単位は100株で、投資に必要な金額はこれまでの約41万円から約1万6000円台へと大幅に下がる。
東証は、望ましい投資単位を「5万円以上50万円未満」の水準としていたが、昨秋に改めて投資単位の引き下げを要請した。これにより株式分割が相次いでいるが、NTTの25分割というのは非常に稀である。その狙いは、新少額投資非課税制度(NISA)への対応など若年層へのアピールだという。
ところでNTT株といえば、まさに株バブルの象徴だった。1987年の上場売り出し価格は1株119.7万円だったが、個人投資家も踊らされ、わずか2カ月で318万円まで急騰。しかし、ブラックマンデーやバブル崩壊で、結局、高値づかみの塩漬けにした投資家が多かったものだ。