5月の東京消費者物価指数でインフレ加速が鮮明…「減速したとの評価は大間違い」と専門家
物価の先行きは絶望的だ。
総務省が26日、全国の物価の先行指標となる5月の東京都区部消費者物価指数(CPI=中旬速報)を発表。価格変動の大きい生鮮食品を除いたコアCPIは104.7で、前年同月比3.2%上昇した。上昇は21カ月連続。生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは3.9%上昇した。日銀がインフレ基調を示すものとして注目するデータだ。その上げ幅は4月から拡大し、1982年4月以来41年ぶりの大きさだった。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「4月に3.5%だったコアCPIの数字が小さくなったことで、インフレが減速したとの評価がありますが、大間違いです。4月から再生可能エネルギー発電促進賦課金が引き下げられ、物価を0.3%ほど押し下げた。一方で、今年も食品の値上げは2万品目を超え、6月から東京電力を含む大手電力7社が値上げします。賦課金の効果は相殺されてしまう」
毎月の電気料金に上乗せされる再エネ賦課金は、国が年度ごとに全国一律で決定。平均的な家庭の2023年度の負担額は月560円で、前年度より820円安くなった。決してバカにならないが、吹っ飛ぶのはアッという間だ。物価高を招く円安も再び加速し、円相場は一時1ドル=140円台前半を付ける場面があった。