物流業界の2024年問題 いよいよ時間外労働の上限規制の実施迫る
物流業界に2024年4月からいよいよ時間外労働の上限規制が実施される。いわゆる「物流業界2024年問題」だ。
19年4月に施行された働き方改革関連法で時間外労働の上限規制が設けられ、すでに大企業は同年4月に、中小企業は20年4月から施行されている。違反した事業者は、6カ月以下の懲役か、30万円以下の罰金という厳しい処分が科されることになる。ただ、人手不足と過重な仕事量から物流業界(自動車運転業務)、建設、医者は24年4月まで5年間の施行猶予期間が与えられてきた。
■3割程度のマンパワーが不足する
物流業界の現状について、ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストがこう述べる。
「トラック協会によるとドライバーの年間時間外労働は960時間を超えている。また、規制緩和で小規模事業者が急増する一方、長時間労働で若手の働き手が確保できずドライバーの高齢化が進んでいます。労働者にとって上限規制は歓迎ですが、事業者は苦渋の問題になってきているんです」