米デフォルト危機回避こそ合図…6月「円安地獄」再び、1ドル150円台も視野に
米政府資金が底を突く恐れがある6月1日の「Xデー」まで1週間。債務上限引き上げを巡る協議は平行線が続く。バイデン政権と野党共和党は23日も協議を続けたが、隔たりが埋まらず、共和党のマッカーシー下院議長は「(合意は)近くない」との見通しを示した。
市場では「最終的に米国債のデフォルト(債務不履行)は回避される」との見方が有力だが、“ドタバタ劇”の副作用として指摘されているのが為替への影響だ。米金利が上昇し、急速な円安が進行するとの懸念が生じている。
「デフォルトが回避されても、米国債の信用低下は避けられず、米金利は上昇傾向を示すでしょう。加えて、債務上限が引き上げられれば、米国債は水を得た魚のように増発されるので、需給が緩み、国債価格は下落(金利は上昇)するはずです」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
6月15、16日には日銀金融政策決定会合が開かれる。日銀の植田総裁は今月19日の講演で「先行きの出口に向けた金融緩和の修正は、時間をかけて判断するのが適当だ」と発言しており、次回会合でも「緩和継続」は揺るぎそうもない。