カルビー、フマキラー…G7広島サミットをビジネスチャンスにしようと企業もシャカリキ
3日間にわたって行われたG7広島サミット(先進7カ国首脳会議)で懸命に営業活動していたのが、広島に縁がある企業だった。
国内外の記者が集まった広島市中区の県立総合体育館に開設された国際メディアセンター(IMC)は、日本の食べ物や文化、商品を海外にアピールする絶好の場とあって、各企業がブースを展示して積極的に広報活動に力を入れていた。
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特に海外記者の注目を集めていたのが、広島で生まれた菓子メーカー「カルビー」(本社・東京)のブースだ。
中四国限定の「瀬戸内レモン味ポテチ」や、定番の「じゃがりこ」、素材にこだわった「かっぱえびせん匠海」を並べて無料で配布。ポテチを360袋、じゃがりこを2400個、かっぱえびせん匠海を2000ケース用意。外国人記者たちは、これらの商品を手に取り、最初は味見するような感じで恐る恐る口に入れていたのだが、徐々に表情が和らぎ、飲み込むと同時に「グッド!」と笑顔に。
「サミットを海外展開の奇貨にできれば」
今まで食べたことのない味わいに感激したのか、G7の取材土産として持ち帰ろうと複数の商品を手にする記者の姿もあった。
カルビーのブース担当者に狙いを聞くと、こう言った。
「サミットを海外展開の奇貨にできれば、と思っています。例えば、じゃがりこは現在、アメリカと中国、シンガポールの3カ国に展開していますが、販路をヨーロッパにも広げたい。すでに工場進出しているイギリスを足がかりに売っていきたいですね。もともと欧米では、さやえんどうスナックを『高タンパク』『食物繊維豊富』をウリに、健康意識の高い層向けに販売してきました。じゃがりこがヨーロッパでも受け入れられる素地は充分あると思います」
〈1874年に広島で創業して以来、昆虫由来の伝染病や外来生物、感染症拡大などの課題解決に貢献して参りました〉
無人ブースに英語音声での企業案内や英語で書かれたチラシを設置し、無料で虫除けスプレーを配っていたのが、広島に開発拠点を置く殺虫剤メーカーの「フマキラー」(本社・東京)。すでに東南アジアを中心に展開している同社だが、G7を機に販路拡大を狙っているようだった。
(取材・文=高月太樹/日刊ゲンダイ)