日経平均が1年8カ月ぶり「3万円」を回復 日本株が海外投資家に買われている理由
久しぶりに日本株が絶好調だ。3万円を回復した日経平均は上昇が止まらず、バブル後の最高値を更新。実に1990年8月以来の約33年ぶりのことだ。
好調な相場を牽引しているのは海外マネーである。東証によれば、海外投資家は現物株を5月第1週まで6週連続で買い越し、6週累計では2兆3183億円に達した。4月の月間では5年半ぶりの大きな買い越し金額だった。
なぜ海外マネーが日本市場にドッと流れ込むことになったのか。そのポイントを以下にあげる。
①米欧諸国がインフレ対策で金融引き締めを続ける一方で、日本では日銀が4月の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の継続を決定した。
②東証が上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営を要請したが、それに呼応してPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業が構造改革へ動くだろうという期待。
③日本のCPI(消費者物価指数)は前年同月比3~4%の上昇率で推移し、また今年の春闘での賃上げ率は3.69%と30年ぶりの高水準で、日本経済を苦しめてきたデフレからの脱却機運が高まっている。