小林佳樹
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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

SBI新生銀の非上場化は買収当初から計画されていた 北尾・五味“連携プレー”で公的資金返済へ

公開日: 更新日:

 SBIホールディングスは12日、50%強の株式を保有するSBI新生銀行に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、上場廃止にすると発表した。一般株主が持つ最大27%分の株式取得をめざす。取得額は1542億円。SBI新生銀には約3500億円の公的資金が残る。上場廃止により、利益剰余金での返済の道を探る。SBIはSBI新生銀行や金融庁へTOBを実施する方針を伝えた。

 この発表にメガバンク幹部は、「やはりこの手しかなかったのだろう。SBIの北尾吉孝氏とSBI新生銀行会長で元金融庁長官の五味広文氏との連携プレーだね」と指摘した。大手銀行で唯一公的資金が残るSBI新生銀行の返済は難題中の難題だった。

■約3500億円が未返済

 新生銀行は1998年から公的資金の注入を受け、1500億円を返したが、約3500億円が未返済となっている。2000年に当時の谷垣禎一金融再生委員長は公的資金の返済に関し、政府保有の新生銀株の時価総額が500億円を超えることが条件との趣旨の国会答弁を行っている。株価に引き直せば1株7450円となる。現状のSBI新生銀行の株価では100年たっても無理とみられていた。

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