株式投資で都心の億ション1戸分の財産を失った50歳…「でも、やっぱ株が好きやねん」
大阪在住の松下昇さん(50・仮名)が株式投資を始めたのは23歳の時。中学生の頃から株式に興味があった。当時はバブル時代で毎日値上がりする数字を見て株式は儲けるチャンスがあると思っていた。
「新卒で入ったゼネコンが忙しすぎて貯金ばかりになっていたのですが、ある日、金融不安のはしりとなった証券会社株が財務不安から急落しているのを新聞で見ることに。当時は電話で初めての注文を出したのですが100万円が翌日には値上がりして指し値注文がヒットして130万円くらいになった。快感を覚え、そこからいわゆるボロ株と呼ばれる株価が安いものを中心に売買を繰り返し、入社3年目には資産が1000万円を超えました。毎朝、会社の公衆電話から注文を出し、昼休みには証券会社のボードの前で株価を見て過ごすのが日課でしたね。1日で給料1カ月分の利益が出る状態になり、退職を決意しました」
■仕手株に手を出して資産1000万円が100万円に
その後、株式セミナーに通い、チャートの本も読み漁って「これから」という時に銀行再編による金融株バブルが収縮。松下さんが25歳のころの話だ。それから「井筒屋」、「シルバー精工」(2011年に上場廃止)などの仕手株に資金を突っ込み、結果、1000万円あった資金を100万円前後にまで減らしてしまう。