幸楽苑HDを台風とコロナ禍が直撃…幻に終わった「いきなり!ステーキ」への業務転換
ラーメンチェーン2社(下)
博多豚骨ラーメン「一風堂」を展開する力の源ホールディングスが大幅増益になるのに対し、東北・関東を地盤とするラーメン店「幸楽苑」を運営する幸楽苑ホールディングス(東証プライム上場)は営業赤字が続く。
東京株式市場で力の源HDの株価が急伸し、4月3日に1617円と年初来高値を更新した。力の源HDの2023年3月期予想(通期)の売上高は245億円(前年比26.3%増)、営業利益は17億1000万円(同62.8%増)、最終利益は13億5000万円(同46.2%増)。海外の売り上げが国内の倍近くになることが評価された。
これに対して、幸楽苑HDは23年3月期通期の業績予想を下方修正した。従来予想を売上高は8億円、営業損益は9億5000万円、当期損益は11億円それぞれ引き下げた。この結果、当期損益は19億5000万円の赤字(同3億7400万円の黒字)に転落する見込み。売り上げが伸びを欠き、原材料費と光熱費の高騰の直撃を受けた。
幸楽苑HDは「いきなり!ステーキ」への業態転換が大失敗だった。17年、ペッパーフードサービス(東証プライム上場)とフランチャイズ契約を締結。低価格ステーキ店「いきなり!」への業態転換を進めた。しかし、「いきなり!」人気は一過性で終わり、業態転換は幻に終わった。