「楽天銀行」上場でグループには1000億円転がり込むも…経営基盤立て直しまだ前途多難
「干天の慈雨」となるのか、それとも「焼け石に水」で終わるのか──楽天グループ(G)傘下の銀行子会社、楽天銀行のIPO(新規株式公開)が決まった。4月21日、東証プライム市場に上場する。保有株売り出しで楽天Gはとりあえず最大で1057億円を手に入れる。
売り出される株式は楽天G保有株の3割強に当たる5395万株余。これとは別に楽天銀による約555万株の株式新規発行も行われる。売り出し・発行価格は未定だが、想定仮条件に基づくと上場時の時価総額は最大3332億円となる見込み。上場後の楽天Gの持ち株比率は63%に低下するものの引き続き子会社の地位にはとどまる。
■4期連続赤字に
楽天Gは携帯電話事業における基地局整備などの巨額の先行投資が収益の重荷となり、2022年12月期で3728億円の最終損失を計上。4期連続赤字に陥っている。
設備投資資金の調達を銀行借り入れや社債発行に頼っているため有利子負債も急膨張。楽天銀が受け入れている預金を除いても「借金」の残高は昨年末で1兆7607億円と、携帯電話本格参入前のおよそ1.8倍にも増大しているありさまだ。