アルファロメオ トナーレ500万円超えは安いか高いか? ちょい上行くイタリアンコンパクトSUV
アルファロメオ トナーレ(車両価格:¥5,240,000/税込み~)
いま世界的に大流行のコンパクトSUV。全長4mちょい超えの背高ノッポなスポーツヴィークルで、ニッポンでもトヨタ カローラクロスやホンダ ヴェゼルが大人気だ。
同時に増えつつあるのがそのプレミアム版。具体的にはメルセデス・ベンツGLAやBMW X1などで、サイズは似たり寄ったりだが、国産SUVが軒並み300万円前後なのに対し、ドイツブランド版は今の為替もあってほぼ500万円台。
とはいえドイツ系はブランド力が高く、走りの個性も強いので、しっかり売れている。そんななかチャレンジングなSUVが出た。
イタリアのプレミアムブランド、アルファロメオの新型SUVトナーレだ。同ブランドの歴史は長く、日本でもファンは多いが、今までスポーツカーやセダン中心。SUVは大きめかつ700万円超えのステルビオしか作っていなかった。
トナーレは、一昨年に多国籍アライアンスのステランティスグループ入りした同ブランド初のコンパクトSUV。車名はイタリア語で「音色」を意味し、全長4.5m強で価格524万円スタート。ほぼドイツプレミアムと並ぶ高価格帯だが、果たしてその価値はあるのか?
インテリアは想像以上にリッチ
全長×全幅×全高は4530×1835×1600mmとカローラクロスより3㎝長い程度。扱いやすさは上々だ。
スタイリングはFFフォルムのため、少々ずんぐりむっくり。ただし、アルファロメオ独自のワイルドな盾型グリルや3連LEDヘッドライトが鮮烈。タイヤも、今回乗った導入記念モデルのエディツィオーネスペチアーレには20インチホイールと組み合わされてカッコいい。
インテリアは想像以上にリッチで、スペチアーレは白いステッチ入りのブラックレザーシート標準、何よりハイテク機能が充実している。
メーターは兄貴分のステルヴィオでさえ導入してない12.3インチフル液晶。同時にセンターディスプレイはスマホ対応アプリのマイアルファコネクトを備えた10.25インチサイズ。車載通信モジュールを搭載し、オンラインで名称による施設検索や天気予報、ガソリン価格や駐車場空き情報、渋滞情報なども入手できる。使いこなすには多少馴れが必要だが、非常に先進的。
先進安全もイマドキで、マトリクスLEDヘッドライトやアダプティブオートクルーズを標準装備。
ゲームっぽい走り味は新しい時代のスポーティさなのか?
一方で気になるのは動力特性でありハンドリング。パワートレインは現在1.5ℓガソリンターボ+48Vマイルドハイブリッドのみで少々物足りないが、プラグインハイブリッド仕様がすぐに追加され、来年にはバッテリーEV仕様も投入予定。実はアルファロメオの電動化の旗手でもあるのだ。
肝心の走り味だが、今回乗ったガソリンモデルはマイルドハイブリッドとは思えないほど電動感が高く、充電状態によっては時速30kmぐらいまでEV走行可能。加速感もドライブモードで3段階まで調節できる。
ステアリングも電動化を見据えているだけあって、パワーアシスト強めで動きはクイック。アルファロメオらしく操舵に対し、フロントノーズが間髪入れず、大きめに追従する。
逆に言うと電動感が強すぎて、ステアリングフィールは多少薄め。走り味が全体を通じてゲームっぽいのだ。
だがこれまた新しい時代の走り味であり、スポーティさなのかもしれない。価格は500万円超えとなかなかだが装備充実。今までのイタリア車とはひと味違うモダンでプレミアムで扱いやすいSUVなのだ。