歴史的高値の「金」を今から買って間に合うのか? 長期金利低下で「リスクオフ」鮮明に
「有事の金」に注目が集まっている。NY金先物(中心限月)は、今月6日に1トロイオンス=1818.6ドルの高値を付け、さらにそこから急上昇し、20日に年初来高値となる1999.6ドルを記録した。2020年8月の過去最高値2069.4ドルに迫っている。
「これだけ安全資産の金の価格が急騰するということは、いま起きている金融不安は有事に値するほど危機的なのか、と警戒する声が上がっています」(市場関係者)
米銀2行の経営破綻や欧州のクレディ・スイスの経営不安により、市場はリスクオフへとシフトしつつある。FRB(米連邦準備制度理事会)は22日、政策金利を0.25%引き上げたが、それでも長期金利は低下。日本の金利も下落傾向が続く。
金利がつかない金は、金利が下がれば、相対的に魅力が増し、買われる傾向にある。また、金融制裁により保有していたドルが使えなくなったロシアを“他山の石”に、中国などが脱ドルの一環として、金を爆買いしている。これが金相場を下支えしているのだ。