難局続くイトーヨーカ堂は創業者が死去…「祖業」からの撤退決断との大リストラ成否
セブン&アイ・ホールディングス(HD)名誉会長の伊藤雅俊氏が今月10日に亡くなった。98歳だった。戦後日本の流通業を牽引したひとりだけに、スーパー関係者は「ぽっかりと穴があいた感じ……」と話す。
訃報が流れる直前の9日、セブン&アイHDの井阪隆一社長はグループのリストラ策を打ち出した。スーパーやコンビニ、外食、百貨店などを抱える巨大流通グループだが、スタートは1920年に創業された東京・浅草の洋品店「羊華堂」。今回、井阪社長は祖業であるアパレル事業から撤退し、アパレル販売はテナントに任せる判断をした。
「大胆な決断だと思います。セブン&アイHDはイトーヨーカ堂(前身は『羊華堂』)が発祥だし、衣料品は何度もテコ入れしながら踏ん張ってきた分野です。撤退は、創業者の伊藤名誉会長も悲しんでいるじゃないかと思っていたところです」(大手スーパー関係者)
伊藤氏は2003年に日本経済新聞に「私の履歴書」を連載している。それをベースにした「伊藤雅俊の商いのこころ」で次のようにつづっている。