小林義崇
著者のコラム一覧
小林義崇フリーライター

1981年福岡県生まれ。04年に東京国税局の国税専門官として採用され、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。17年東京国税局を辞職しフリーライターに転身。著書に「元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者」(ダイヤモンド社)など多数。

賃貸住まいのお金持ちはいない? 富裕層が「持ち家」を選ぶ本当の理由

公開日: 更新日:

「賃貸か持ち家か」という議論はいまだ尽きませんが、富裕層の多くは持ち家に住んでいます。

 私自身は相続税調査で、賃貸住まいの富裕層を一度も見たことがありません。総務省の統計でも、世帯主の年収が高いほど持ち家率が高くなることが示されています。年収400万~500万円の持ち家率は66.2%ですが、年収2000万円以上の世帯になると9割に迫る水準。

 では、なぜ富裕層には持ち家派が多いのでしょう。一つには、富裕層には先祖代々引き継いできた土地や家屋があるケースが多いことが挙げられます。相続した持ち家があれば、固定費としてもっとも大きな住居費を抑えることができて、資産形成に有利であることは間違いありません。

 もう一つの理由は、優遇税措置の影響があると考えられます。その一つが相続税の特例の一つである「小規模宅地等の特例」。これは非常に節税効果の高い特例です。

 たとえば、亡くなった被相続人が住んでいた土地を配偶者が相続したとしましょう。すると、その敷地面積のうち330平方メートルまでの評価額が80%減額されます。ということは、特例を使う前の相続税評価額が1億円で、面積が330平方メートル以内であれば、評価額を2000万円まで落とせるということ。名前こそ「小規模」ですが、330平方メートルといえば「100坪」ですから、かなりの広さです。

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