米銀破綻の余波でEV業界が大ピンチ ドイツが推す新エネルギー「イーフューエル」台頭も逆風
米銀行の金融破綻が世界の金融市場を揺らしています。米シリコンバレーバンク(SVB)、米シグネチャー・バンクが相次いで破綻。米金融当局は預金の全額保護などを打ち出しましたが、危機は欧州に飛び火し、クレディ・スイスの経営不安が一気に広がりました。
株価は暴落。NY市場に続き、日本も大ダメージを受け、先週の日経平均は一時2万7000円台を割り込み、2万6632円まで落ち込んでいます。
この先、金融市場の不安は払拭されるのか。大きなテーマになりそうですが、米銀の破綻に大慌てなのがEV(電気自動車)業界です。SVBは、行名にある通り、米西海岸のシリコンバレーで急成長しました。この地にはベンチャーキャピタル(VC)の支援を受けた企業が多く存在します。実際、SVBによるとVCが投資するテック企業やヘルスケア関連の約半数と取引があったようです。スタートアップの中核的な役割を果たしていたのがSVBだったのです。
預金者にはシリコンバレーの新興企業や起業家など大口顧客が目立ちます。EV関連のベンチャーもたくさん抱えていたはずです。後ろ盾を失ったEVベンチャーには逆風といえそうです。