春闘「下請け泣かせ42社リスト」大企業の賃上げは中小企業の犠牲で成り立つ
2023年の春闘は15日、大手企業の集中回答日を迎えた。自動車大手では、すでにトヨタ自動車とホンダがいち早く満額に応じ、決着済みだが、15日は日産自動車、三菱自動車、SUBARUも満額で回答。他にも日立製作所、東芝、富士通、NEC、パナソニックHD、三菱重工、王将フードサービスなど満額回答が相次いだ。
松野官房長官は「今後、中小企業や地方の春闘が本格化する中、これらの企業にも波及させていく必要がある」と期待感を示したが、中小企業の賃上げは苦戦必至だ。
「大企業の満額回答は、中小企業の犠牲の上に成り立っている面があります。空前の物価高に見舞われる中、大企業は取引先の中小企業に対して、コスト上昇分の価格転嫁を十分に認めてきたとは言い難いからです」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
中小企業庁は昨年9~11月に中小企業15万社を対象に価格転嫁の実態についてアンケート(回答約1万5000社)を行い、先月、結果を発表した。中小企業10社以上が「主要な取引先」として挙げた大企業148社について、コスト上昇分に対して、どのくらい価格転嫁に応じたか、割合(平均)を公表している。