「空きコンテナ問題」は中国だけが原因ではない 米国も欧州も問題山積みで世界経済は三重苦
失速する対外貿易中国経済孤立化(中)
「中国の生産が戻れば米国向けの貨物も増えるだろうが、米国もインフレで消費力が落ちた。欧州もダメで世界経済は三重苦だ」――。日本の物流大手の管理職A氏は、中国発の貨物の減少をこう嘆く。
中国の対外輸出の変調は昨年9月から始まり、12月の対外輸出は3060億ドル(約41兆3100億円)と前年比9.9%減少した。同年通年の総輸出額は前年比で7%増加したが、それでも2021年の29.6%増にはほど遠い成長率だった。
昨年12月、中国を含むアジアからの対米輸出は家具や寝具を大きく減らした。家具需要は住宅市場に左右されるが、米国では住宅着工件数が5カ月連続で減少(米国センサス局、2月発表)している。
■昨年までは建設機械の対米輸出が活況
前出の管理職A氏は「昨年まで米国では新規住宅の着工が多く、宅地造成のため建設機械の輸出が活況だった」と言う。ウクライナ戦争でエネルギー源を石炭にシフトさせたことから、景気後退の中でも、米国の鉱山で建機の需要が伸びていた。