東洋水産(上)メキシコでは「マルちゃん」がカップラーメンの代名詞
東洋水産の即席麺は日本では「赤いきつね」(うどん)や「緑のたぬき」(天ぷらそば)、袋麺の「正麺」でおなじみだが、メキシコでは「マルちゃん」がカップラーメンの代名詞になっている。カップラーメン市場で約90%のシェアを占める。
共同通信社系のアジア各地の経済ビジネス情報を発信するWEBサイト「NNAカンパサールWebマガジン」(2017年9月号)が、「メキシコ・カップラーメンの代名詞、マルちゃん」を特集している。
メキシコで流通するマルちゃんのラーメンは全て米国からの輸入品。米国では1972年、カリフォルニア州に現地法人を設立し、77年からカップラーメンを製造・販売している。メキシコに現地法人が設けられたのは2004年。歴史は比較的浅い。「マルちゃん」が、なぜこれほどまで席巻するようになったのか。
〈東洋水産のCSR広報部広報・社会活動課の山本理絵課長によると、1980年代に米国に出稼ぎに行ったメキシコ人が、故郷にマルちゃんのカップラーメンを持ち帰ったことがきっかけだという。価格が安く、調理器具もいらない。お湯を入れるだけですぐに食べられるラーメンはすぐに広まった。メキシコの食品問屋が、トラックで東洋水産の米国の工場に現金を持って買い付けに来たこともあったようだ〉