米アップルは2万円台から買えるのに…日本の値がさ株は分割されても“高値の花”
ファーストリテイリング株が3月1日から1株が3株に分割された。オリエンタルランドも、4月1日から1株を5株に分割する。こうした株式分割が相次いでいて、値がさ株上位のファナック(1株→5株)、東京エレクトロン(1株→3株)、ディスコ(1株→3株)も分割を発表している。
今年1月から2月21日までに分割を発表した企業は30社。昨年1月から2月末までの14社の2倍以上である。特に目立つのが、50万円以上ないと投資できない値がさ株。30社中13社もある。
こうした分割の背景にあるのは、個人の株式投資を促そうという機運の高まりだ。NISAの拡充で若者を市場に呼び込もうにも、株価が高すぎては手が出ない。そこで東証は、投資金額が5万円以上50万円未満の株が望ましいとして昨年10月、値がさ株の約200社に対し、投資単位の引き下げを要請していた経緯がある。
だが、3分割を終えたファーストリテイリング株であっても、依然として最低投資金額は290万円だから、現実的にはNISA(現行の年間投資額限度120万円、24年から240万円に)で買うことができない「高値の花」である。