安い住宅を買う予定なら…せめて十数万円で「住宅性能表示制度」利用を
一戸建て編(10)
前回、家を建てる、買うなら何かとメリットが大きい長期優良住宅が得策と紹介したが、どうしても価格が高くなるのがネック。そこで、長期優良住宅の認定を受けられない比較的価格の安い住宅を取得する場合、お勧めしたいのが「住宅性能表示制度」の活用だ。
住宅性能表示制度というのは、住宅の耐震対策、劣化対策、維持管理対策、断熱等性能などについて、全国一律の基準を設け、第三者の専門機関などが性能を評価する制度。建築に関する知識の乏しい一般の消費者でも、比較検討の物差しにでき、安心感が高まる。
住宅性能表示を利用するかどうかは任意だが、国土交通省の調査によると、2021年度の新設住宅着工戸数のうち、28.2%が性能評価を受けている。1戸当たり十数万円程度で評価を受けることができるので、安全・安心のためのコストとしては決して高くはないだろう。特に、全国的に名前を知られていない中堅以下の住宅メーカーや地元の工務店などを利用するときには、この制度をお勧めしたい。
この性能表示制度には、設計図面段階で評価する設計住宅性能評価と、現場工事の段階まで評価する建設住宅性能評価があるが、いうまでもなく、工事現場までチェックしてくれる建設住宅性能評価を取得するのが安心だ。