地方で駅前や百貨店跡地にタワマンが増殖するワケ 一戸建てからの住み替えも
東京、大阪、名古屋の3大都市圏や「札仙広福」などの政令指定都市(人口50万人以上)のみならず、中核都市(人口20万人以上)でも今やタワーマンションを見ないエリアは少なくなっている。
近年、群馬県の県庁所在地、JR前橋駅前再開発に伴い建築中の27階建て「ブリリアタワー前橋」(2023年10月竣工予定)が発表された際、1億円超えの住戸が大きな話題になったのは記憶に新しい。
「前橋の時もそうでしたが、埼玉・所沢でタワマンの建築が発表された際、『所沢でタワマンなんて』と否定的な声もあがりました。ところが億ションが比較的早く売れ、所沢が住みたい街トップ30にランクインするなど、意外な人気に驚きました。今では旭川、新潟、いわき、水戸、福井、岐阜など、全国的にタワマン建設が進んでいます」(不動産ディベロッパー社員)
新潟の苗場や越後湯沢など、以前からリゾート型のタワマンは存在していたが、今は官民の事情や地元住民のニーズが合致した結果、タワマンは増え続けているという。
「地方で最近多いのが駅前再開発の一環で、駅周辺の密集した店舗や住宅などを整理し、高層マンションに建て替える再開発プロジェクトです。その他、老朽化した駅ビルや周辺の廃業した百貨店跡地でも同様のプロジェクトが見られます」(不動産アナリスト・長谷川高氏)