公明党元国会議員・浜四津敏子の死はなぜ、2年もの間隠されたのか
浜四津敏子(2020年11月29日没 享年75)
旧姓高橋の浜四津と私は慶大法学部法律学科の同期生だった。2年余り前に亡くなっていたのに遺族の意向で党側が発表を控えていたというのだが、何か秘密めいたものが臭う。
そんな浜四津と、一度だけ、盗聴法反対の集会で会った。1998年11月17日、場所は星陵会館だった。創価学会婦人部にカリスマ的人気のある彼女は、そこでナチスドイツにおいて秘密警察が取り締まりの対象を広げ、反戦平和や環境保護運動にまでその手をのばしたことなどを引いて、いったん盗聴や秘密警察的情報収集を導入すれば「その本来の目的を逸脱し、歯止めが利かなくなるのは、古今東西の歴史の事実が証明している」と強調した。
間然するところのない見事な批判だったが、しかし、浜四津はそれからまもなく、態度を変えた。修正案で対象犯罪に限定がかかったなどと変節の理由を述べたが、それは自らの発言を裏切るものでしかなかった。「盗聴という手段には歯止めが利かない」というのは「修正」は利かないということだからである。反対集会に出て来なくなったのは、自民党と公明党が連立政権を組んだからだった。