重道武司
著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

楽天グループがまたぞろ社債発行 モバイル事業で巨額の先行投資続く

公開日: 更新日:

 この超低金利時代に年3.3%もの利息が付くというのだから申し込んだ人もかなり多かったに違いない。

 楽天グループ(G)が今週10日(払込期日)、2500億円のリテール債(個人向け社債)発行に踏み切る。一度に発行される国内リテール債としては過去最大規模。巨額の先行支出が続く携帯電話事業の設備投資や運転資金などに充てる。

 発行するリテール債は償還期限2年で、愛称は「楽天モバイル債」。大和証券やSMBC日興証券など5社が主幹事をつとめた。楽天Gは昨年6月にも1500億円のリテール債を発行している。ただこの時は期間3年で起債時の利回りは年0.72%だった。今回、償還までの期間が短いにもかかわらず利払い負担がより重くなる形での資金調達を強いられたことになる。

 背景にあるのは言うまでもない。楽天Gの業績や財務基盤の劣化に伴う信用力の低下だ。基地局整備など携帯電話事業での設備投資がかさんで22年12月期の第3四半期(1~9月)は過去最悪となる2580億円の最終赤字(前年同期は1039億円の赤字)。今月14日開示予定の通期決算も多額の赤字に沈んだもようだ。金融事業を含む有利子負債は昨年9月末時点で2兆7337億円にも膨らんだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷翔平「初の本塁打王」は最終試合までヒリヒリか…ヤ軍ジャッジ固め打ちで猛チャージ

    大谷翔平「初の本塁打王」は最終試合までヒリヒリか…ヤ軍ジャッジ固め打ちで猛チャージ

  2. 2
    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

  3. 3
    CMや配信で復活の兆しも…「のん」が干された決定的な理由

    CMや配信で復活の兆しも…「のん」が干された決定的な理由

  4. 4
    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

  5. 5
    中森明菜がマッチ宅で自殺未遂…「金屏風前会見」の顛末

    中森明菜がマッチ宅で自殺未遂…「金屏風前会見」の顛末

  1. 6
    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

  2. 7
    大関・貴景勝の4度目Vに批判殺到!優勝決定戦で平幕相手に「小細工&注文相撲」の愚策

    大関・貴景勝の4度目Vに批判殺到!優勝決定戦で平幕相手に「小細工&注文相撲」の愚策

  3. 8
    麻生太郎副総裁が公明党を「がん」呼ばわりの大暴言! 自公関係は再び決裂か?

    麻生太郎副総裁が公明党を「がん」呼ばわりの大暴言! 自公関係は再び決裂か?

  4. 9
    NHK「どうする家康」…ジャニーズ4人出演の“メルヘン大河”でも視聴率10%キープのナゾ

    NHK「どうする家康」…ジャニーズ4人出演の“メルヘン大河”でも視聴率10%キープのナゾ

  5. 10
    大阪万博パビリオン建設「時間切れ」に現実味…参加予定のチェコが明かした“盲点”とは

    大阪万博パビリオン建設「時間切れ」に現実味…参加予定のチェコが明かした“盲点”とは