日本電産前CEO関潤氏 鴻海のEV戦略トップに就任で「3度目の挑戦」
自動車周辺のトップ交代が大きな話題となっています。トヨタ自動車は豊田章男社長が4月1日付で会長に就任し、新社長は佐藤恒治執行役員が昇格する人事を発表しました。EV(電気自動車)参入で注目されるソニーグループも社長交代を決めました。
さらに、もう一つ。日産自動車で要職を務め、その後、日本電産に転じたものの、昨年9月に同社の社長兼COOを辞任した関潤氏(61)です。2月1日付で台湾の鴻海精密工業に転じ、EVの最高戦略責任者(CSO)に就任しました。
関氏は、日本電産の創業者で会長兼最高経営責任者(CEO)の永守重信氏が2020年に「三顧の礼」で迎え入れた人物。関氏は同年4月から社長、21年6月からはCEOを務めました。当時、永守氏は関氏に関し、「逃げない限りはCEOの後継者として育てる」と期待を寄せていました。関氏も「逃げる気は全くない」と応じています。
ところが、関氏が担当していた車載事業の業績が悪化。22年4月に社長兼COOに降格し、9月に退任となりました。
三顧の礼で迎え入れられたのに、最後は実質的な“解任”だったといえそうです。もっとも日本電産は、以前にカルソニックカンセイ(現マレリ)元社長や、シャープ元社長をスカウトしましたが、永守氏の後継者にはなり得ず退社しています。