日銀の保有国債含み損は12月末に8.8兆円!黒田総裁の「負の遺産」はまだまだ増える
とんだ置き土産だ。日銀の黒田総裁は3日の衆院予算委員会で、日銀の保有国債の含み損を明かした。その額、実に約8兆8000億円。昨年9月末時点で8749億円のマイナスと2006年3月末以来、16年半ぶりに含み損が発生したが、たった3カ月で約10倍に拡大した。
主な要因は金利上昇のあおり。日銀は長期金利を抑制するイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の下で国債を購入。昨年12月、容認する長期金利の上限を0.5%に引き上げたことで国債市場の金利が上昇(債券価格は下落)し、含み損が一気に膨らんだ。
日銀は国債を時価評価しておらず、含み損が発生しても即、決算には影響しない。黒田総裁は「中央銀行や金融政策への信認が失われることはない」と強調したが、今年1月以降も日銀は損得抜きで国債を爆買い。
17~18日の政策決定会合が近づくにつれ、政策の追加修正への思惑から長期金利が0.5%を超え、日銀は指定した利回りで国債を無制限に買う「指し値オペ」を連発。1月の国債購入額は23兆6902億円と月間で過去最大となった。