有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ワタミは焼き肉店への転換を進めたが…頼みの綱は「ワタミの宅食」

公開日: 更新日:

 コロナ禍で最もダメージを受けた業態が居酒屋だといわれる。休業や時短営業、酒類の提供制限で、長いこと宴会がなくなった。

 2021年3月、祖業の「和民」が姿を消した。焼き肉への看板の掛け替えが進んだからだ。だが、成功したとはいえない。

 渡辺美樹会長(当時、現在は会長兼社長)は、20年、居酒屋120店を「焼肉の和民」に転換する方針を打ち出した。しかし、都市部や空中階という立地の店で集客に苦戦。22年3月以降、単品メニューを429円以下にする“値ごろ感”で回復に努めたが、売り上げは想定の8割程度にとどまり、「焼肉の和民」を急拡大する計画は凍結された。

 22年10月から順次、主力の居酒屋「ミライザカ」など190店で、ビールなどを対象に値上げに踏み切った。中サイズの生ビールは5.5~12%アップした。メーカーが10月以降、業務用酒類を値上げしたためだ。

 宅配の弁当は23年3月まで価格を据え置き、「ワタミの宅食」は量&質ともに変わらないとしている。宅食を利用している人の中心が65歳以上の年金受給者で、家計への負担軽減に配慮しての施策だ、と述べた。

 現在のワタミを支えているのが宅食との認識に立っての価格の据え置きであることは言うまでもない。

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