「大阪の迎賓館」ロイヤルホテルは外資の手に ホテル業界で不動産保有と運営を切り離す動き
「大阪の迎賓館」が外資の手に落ちる。ロイヤルホテルは先週末、主力のリーガロイヤルホテル大阪(RRH大阪、北区中之島)を3月末、北米を本拠とする大手生保、サン・ライフ・ファイナンシャル傘下の不動産投資会社・BGO社に売却すると発表した。同時にBGOと資本提携。BGOがロイヤルホテルに33%出資する筆頭株主になる。ホテルの運営は続ける。
RRH大阪は多数の国賓級VIPの滞在先として利用されたことから「迎賓館」とも呼ばれる大阪を代表する高級ホテルのひとつ。全1039室を誇り延べ床面積は17万平方メートルを超える。
売却するのはRRH大阪の土地・建物にかかる信託受益権で、BGOが設立するSPC(特別目的会社)に譲り渡す。譲渡価格は「500億円台半ば」(関係者)とみられ、簿価との差額で「150億円の譲渡益が見込める」としている。
一方、BGOによる出資は、ロイヤルホテルの主力行である三井住友銀行が保有する優先株の過半を取得したうえ、優先株に付与されている普通株の取得請求権を行使する形で行われる。現筆頭株主で発行株の19.2%を握るアサヒビールの持ち株比率は権利行使後12.86%に低下。2位株主に後退する見込みだ。