王将フードサービス(下)事件のキーマン“創業家の次男”はすでに海外へ
「福岡センチュリーゴルフクラブ」は福岡の観光名所で「学問の神様」菅原道真を祭る太宰府天満宮から一山越えた丘陵地に広がる。このゴルフ場が、“事件の黒幕”といわれている上杉昌也氏と王将フードサービスを結びつけた。
王将の創業時にさかのぼる。創業者の加藤朝雄氏(故人)は1924(大正13)年、福岡県飯塚市に生まれた。戦後、復員し、進駐軍食堂、行商人などさまざまな経歴を重ね、67年12月、京都・四条大宮に餃子の王将を開店した。
朝雄氏のバックは「解同のドン」と呼ばれた部落解放同盟中央執行委員長の上杉佐一郎氏(故人)。佐一郎氏は飯塚市の隣町の小郡市の出身。目と鼻の先の同郷だったことから関係が築かれた。朝雄氏が(王将の)全国展開に乗り出す際、上杉氏が口利きしてメガバンクから数百億円を引っ張ってきたことはよく知られている。
朝雄氏と佐一郎氏は一心同体の絆で結ばれていた。その関係は佐一郎氏の異母弟の上杉昌也氏に引き継がれた。昌也氏は44年の生まれ。佐一郎氏とは25歳の年齢差があり、親子ほど年が離れている。