ウエルシアHD(下)目指すはアジアでナンバーワン「1兆円突破はただの通過点」
ドラッグストア業界初の売上高1兆円を達成したウエルシアホールディングス。それを1000億円差で追うのがツルハホールディングスだ。
面白いのは、ウエルシアもツルハもイオングループの一員だということだ。
イオンはウエルシア株の50.5%を所有する。つまり連結子会社だ。ツルハ株については13%を持つ筆頭株主だったが、昨年、日本マスタートラスト信託銀行が株を買い増し、筆頭株主の座をイオンから奪った。また2年前には、16年間にわたりツルハの社外取締役を務めていた岡田元也元イオン会長が退任するなど、イオン離れが噂されている。
それもあってか、ウエルシアとツルハは同じイオングループにいながら、激しい売上高競争を繰り広げ、それぞれがM&Aによる規模の拡大を続けている。
そしてこの2社を追いかけるのが、マツモトキヨシとココカラファインの合併により誕生したマツキヨココカラ&カンパニーで、すでに店舗数では圧倒的トップに立っている。
前回、ドラッグストアの歴史は合従連衡の歴史だと書いた。なぜそうなったかというと、基本的にドラッグストアで扱う商品は差別化が難しいものばかりだからだ。かといって価格競争を繰り返していけば企業体力が奪われる。