追い詰められた黒田日銀…もはや市場を制御できず、異次元金融緩和は「破綻」秒読み

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 日銀がマーケットにケンカを売られ、追い詰められている。13日の国債市場で10年国債の利回りは日銀が容認する0.5%を超え、一時0.545%まで上昇(国債価格は下落)。昨年12月の金融政策決定会合で「国債市場、債券市場の機能度を改善する」(黒田総裁)として“利上げ”に踏み切ったばかりだが、早くも“さらなる利上げ”を催促されている格好だ。

 ◇  ◇  ◇

 上限利回りの0.5%を死守しようと、日銀は連日、マーケットに徹底抗戦。国債を売り浴びせるマーケットに負けまいと、12日は4.6兆円、きのうは5兆円の国債を購入した。先月、9兆円に増額した1カ月の国債購入予定額をわずか2日で超えてしまった。

 13日は日銀が市場を制御できない“珍事”も起きた。

 日銀が設定する上限の0.5%を超えたことを受け、日銀は10年国債を0.5%で無制限に買い入れる指し値オペを通知した。ところが、その後、金利は0.545%まで上昇。日銀の買値より、安値で売る投資家がいたのである。

「現時点では損が出る価格で売っても、いずれ国債価格が下落(金利上昇)すると見込み、そこで、買い戻せば、利益が出ると考えたのでしょう。日銀の指し値を信用していない表れです。10年国債の利回りを一定の変動幅に抑えるYCC(イールドカーブ・コントロール)の限界をマーケットに突きつけられた格好です。この状況では、この先、上限を0.5%から0.75%に引き上げても、すぐに国債市場は機能しなくなり、イタチごっこを繰り返すだけでしょう。来週(17~18日)の金融政策決定会合でYCCを撤廃するとの見方が浮上しています」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)

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