きな臭さと狂気で澱んだ新年 感性なき政権による軍拡をスルーしてはいけない
2023年。新年になったというのに爽やかさはありません。ロシアのウクライナ侵攻、繰り返される北朝鮮のミサイル発射、そして中国と、いずれも昨年末に閣議決定された防衛3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)に記された通りではあるのですが、それにかこつけて日本も軍備を増強する。各国が「我が為、我が為」のご都合主義に突き進み、協調による平和維持からどんどん遠ざかっている。きな臭さと狂気が、新年の空気を澱ませています。
防衛3文書の中身には震撼しました。岸田首相は「非核三原則や専守防衛は崩さない」と言ってはいますが、文書からは軍拡へ舵を切ったことが染み出てきている。安全保障政策の大転換だと言い切ったことにも怖さを覚えました。これほどの方針転換を閣議決定だけでやってしまうとは、一体どういう政府なのか。
敵基地攻撃能力の保有など、憲法に抵触する可能性はないのかという疑問への明確な説明もありません。「日本周辺の安全保障環境が激変した」と強調されれば、国民は納得するだろうと考えているのでしょう。しかし、環境が変化していればしているほど、やはり日本は「平和憲法を順守し、その姿勢を貫く」と声を大にして言って欲しい。